庭に一年中美しい緑と高さのある存在感を加えたいと思いませんか？
背の高い常緑多年草は、季節を問わず美しさを保ち、メンテナンスの手間も少なく、目隠しや風よけとしても活躍してくれる優れものです。
この記事では、園芸初心者の方でも育てやすい背の高い常緑多年草の魅力や効果的な使い方、そしておすすめの5品種をご紹介します。これらの植物を取り入れることで、洗練された美しい庭づくりを実現しましょう。
背が高い常緑多年草の魅力と効果的な使い方
背の高い常緑多年草の特徴や効果的な使い方を具体的に解説します。ポイントは以下のとおり。
- 四季を通じて美しい庭を演出する常緑多年草の特徴
- 目隠しやプライバシー確保に最適な背の高い常緑植物
- イングリッシュガーデンを彩る背の高い宿根草の選び方
- 日陰でも育つ背の高い常緑多年草の活用法
- グランドカバーとしても活躍する背の高い常緑植物の使い方
- 春から秋まで美しい花を咲かせる背の高い常緑植物
四季を通じて美しい庭を演出する常緑多年草の特徴
常緑多年草は庭づくりにおいて最も頼りになるパートナーです。一度植えれば数年から数十年と長く楽しめ、落葉樹のように冬に葉を落とすことなく一年中緑を保ちます。特に背の高いタイプは、庭全体の骨格となり空間に奥行きを与えてくれます。
例えば、常緑低木と組み合わせて植えると冬でも寂しくない庭を作ることができます。一年草のように毎年植え替える必要もなく時間とともに成長して魅力を増していくため、長期的に見れば経済的でもありますね。
デメリットとしては「多年草は成長が遅い」という点があげられます。確かに、一年草に比べると成長速度はやや緩やかな品種もあります。
しかし、背の高い常緑多年草は一度定着すれば長く楽しめるため、庭づくりの基本となる植物として最適です。初期投資の価値は十分にありますので、ぜひ取り入れてみましょう。
目隠しやプライバシー確保に最適な背の高い常緑植物
背の高い常緑多年草は、美しさだけでなく実用性も兼ね備えた優れた植物です。高さのある植物は自然な目隠しとなり、プライバシーを確保しながら人工的なフェンスよりも柔らかく心地よい雰囲気を作り出せるから。
例えば、道路側や隣家との境界線に背の高い常緑多年草を列植すると、視線を遮りながらも季節ごとの風を通す緑のスクリーンが完成します。密植することで防音効果も期待でき、交通騒音の軽減にも役立ちます。特にシマトネリコのような細かい葉を持つ植物は、風に揺れる音も心地よく、癒し効果も生み出します。
このように、背の高い常緑多年草は単なる装飾ではなく、快適な生活空間を作るための実用的な要素としても活躍します。
イングリッシュガーデンを彩る背の高い宿根草の選び方
本格的なイングリッシュガーデンを作るなら、背の高い宿根草は欠かせない要素です。イングリッシュガーデンの魅力は、ナチュラルな風合いがある多層構造にあります。背の高い宿根草が後景となり、中低木、地植えの低い草花と層を作ることで、奥行きのある美しい庭が完成します。
例えば、背の高い常緑のヤブランやニューサイランを庭の背景に配置し、その手前にバラやサルビアなどの花物を植えることでイギリスの伝統的なコテージガーデンのような雰囲気を作り出せるでしょう。背の高い植物と低い植物を交互に配置することで、リズム感のある景観が生まれます。
「でも、日本の庭の広さではイングリッシュガーデンは難しいのでは？」という懸念もあるでしょう。
限りあるスペースをできるだけ広く、しかも奥行きを持たせて立体感を表現するには背の高い常緑多年草は欠かせません。ぜひともイングリッシュガーデン風の庭づくりにチャレンジしてみてください。
日陰でも育つ背の高い常緑多年草の活用法
日当たりが悪い場所こそ、背の高い常緑多年草の真価が発揮されます。常緑多年草の中には日陰や半日陰でも元気に育つ種類が多く、他の植物では難しい北側や建物の陰になった場所でも緑を確保できるから。
例えば、日陰に強いヤブランは北向きの庭でも育ち、夏には涼しげな紫色の花穂（小さな花が集まった部分）も楽しめます。また、明るい緑の葉を持つ品種を選ぶことで暗くなりがちな日陰の空間を視覚的に明るく見せる効果も期待できますよ。
日陰でも育つ背の高い常緑多年草は、比較的手間をかけずに庭の活用が難しい場所でも美しい緑のスポットへと変えてくれます。
グランドカバーとしても活躍する背の高い常緑植物の使い方
背の高い常緑植物は地面を覆うグランドカバーとの組み合わせで、より立体的で美しい庭を作ることができます。高い植物と低い植物を組み合わせることで、視覚的に豊かな層を作り出し雑草の生育も抑制できるから。
例えば、背の高いニューサイランの足元にヒューケラやハーブ類を植えると、背の高い植物の根元が隠れて美しく、雑草も生えにくくなります。こうした立体的な植栽は、限られたスペースでも奥行きのある庭を演出できます。また、背の高い植物が作る半日陰の下に、適切なグランドカバーを選ぶことで、メンテナンスの少ない組み合わせが完成。
このように、背の高い常緑植物とグランドカバーを組み合わせることで、手入れが楽で見た目も美しい立体的な庭づくりが可能になります。
春から秋まで美しい花を咲かせる背の高い常緑植物
背が高く常緑であることに加えて花を咲かせる多年草を選べば、庭の魅力は何倍にも広がります。緑の美しさだけでなく季節ごとの花の彩りも楽しめることで、一年を通して変化のある庭を作ることができるから。
例えば、春にはローズマリーの青い花が咲き、夏から秋にかけてはヤブランの紫色の花穂が楽しめます。これらの植物は花が終わっても美しい緑を保ち続けるため、開花期以外も庭の魅力を維持してくれます。季節ごとに異なる花を咲かせる品種を組み合わせることで、一年中何かしらの花が楽しめる庭づくりが可能です。
こうした花を咲かせる背の高い常緑多年草を選ぶことで、常に変化があり、飽きのこない魅力的な庭を作ることができます。
おすすめの背が高い常緑多年草5選と冬越しのポイント
この章ではおすすめの背が高い常緑多年草を以下の５種類紹介します。
- ドラセナ・インディビサ（コルディリネ）
- ヤブラン・ギガンテウム
- ニューサイラン（フォルミウム）
- シマトネリコ
- ローズマリーの立ち性品種
ドラセナ・インディビサ（コルディリネ）― 南国風の庭を演出する常緑多年草
ドラセナ・インディビサは、庭に一瞬で南国の雰囲気をもたらす魅力的な常緑多年草です。
最大3m以上にも成長する迫力ある姿と特徴的な剣状の葉が独特の存在感を放ち、他の植物では出せない南国リゾート感を演出できます。成長も比較的早く、数年で存在感のある大きさになるのも魅力です。
例えば、シンプルな庭にドラセナを一本植えて庭全体の印象を大きく変化させてみるのもおすすめですね。
ただし、熱帯の植物なので寒さに弱い面があり、寒冷地では冬の防寒対策が必要です。寒冷紗で包んだり、鉢植えなら室内に取り込むなどの対策をしましょう。
適切な防寒対策を行えば、関東以西の多くの地域で育てることができます。その独特の姿は他の植物では代替できない魅力があり、チャレンジする価値は十分にあります。
ヤブラン・ギガンテウム ― 日本の気候に適した背の高い常緑宿根草
ヤブランの中でも特に大型のギガンテウムは、日本庭園からモダンな庭まで様々なスタイルに馴染み、日陰でも育つ強健さを持ちながら夏から秋には美しい紫色の花穂を楽しめます。
例えば、建物の北側や大きな木の下など多くの植物が育ちにくい場所でも生育が可能。最大80cmほどの高さになり、明るい緑の葉が美しいアーチ状に広がります。真夏の直射日光は葉焼けの原因になることもありますが、半日陰であれば問題なく育ちます。寒さにも強く、特別な冬越し対策も必要ありません。数年経つと株が大きくなるため、分株して増やすこともできます。
ヤブラン・ギガンテウムは初心者にも育てやすく、日本の気候に完璧に適応した背の高い常緑宿根草であり、庭づくりの強い味方となってくれます。
ニューサイラン（フォルミウム）― 現代的な庭デザインに最適な背の高い常緑植物
ニューサイランは直立した剣状の葉が特徴的で、最大2mまで成長する品種もあり、様々な色彩バリエーション（緑、赤銅色、斑入りなど）が楽しめる、現代的でスタイリッシュな庭づくりにぴったりの常緑多年草です。
ニューサイランは日当たりのよい場所を好みますが、真夏の直射日光は避けたほうが良いでしょう。寒さにはやや弱いため、寒冷地では冬の防寒対策が必要です。剪定はあまり必要なく、枯れた葉を取り除く程度でOKという手軽さも魅力です。
寒冷地では注意が必要ですが、鉢植えにして冬は室内に入れたり、地植えの場合は寒冷紗などで防寒すれば多くの地域で育てることができます。その独特の姿と存在感は、現代的な庭づくりに欠かせない要素になりますね。
シマトネリコ ― 常緑高木でありながら多年草のように扱える人気品種
シマトネリコは分類上は高木ですが、コンパクトな庭でも使いやすい細身の樹形と、多年草のような扱いやすさを持つ理想的な常緑植物です。剪定によってサイズコントロールが容易なため、ぜひとも庭に取り入れたい植物ですね。
成長は比較的早く数年で3〜4mになりますが、強剪定に耐える強健さを持っているため、2m程度のサイズに維持することが可能。真夏の直射日光下でも元気に育ち寒さにも比較的強いため、関東以西であれば特別な冬越し対策も必要ありません。
シマトネリコは高木でありながら多年草のような扱いやすさを持ち、初心者でも育てやすい常緑植物として、現代の庭づくりに大いに活躍します。
ローズマリーの立ち性品種 ― 香りも楽しめる背の高い常緑多年草
ローズマリーの立ち性品種は、視覚だけでなく香りも楽しめる、一石二鳥の背の高い常緑多年草です。料理にも使えるハーブとしての実用性を持ちながら、青い花も美しく、最大2mまで成長する品種もあります。
乾燥に強く水やりの頻度が少なくて済むため、初心者にも育てやすいのが特徴です。日当たりのよい場所を好み、水はけの良い土壌を好みます。剪定によって形を整えることができ、刈り込むほど枝が増えてコンパクトになります。寒さにはやや弱いため、寒冷地では冬の防寒対策が必要です。
【表：ローズマリーの立ち性品種の特徴】
| 品種名 | 最大の高さ | 花の色 | 特徴 |
| トスカナブルー | 約1.5m | 青紫色 | 直立性が強く背が高くなる |
| アープ | 約2m | 水色 | 最も耐寒性が強い |
| ミス・ジェサップ | 約1.8m | 青紫色 | 花つきがよく香りが強い |
ローズマリーの立ち性品種は美しさと実用性を兼ね備え、初心者でも育てやすい背の高い常緑多年草として、様々な庭づくりに役立ちます。
背が高い常緑多年草で一年中魅力的な庭づくりを
背が高い常緑多年草は、庭づくりに多くのメリットをもたらす心強い味方です。年間を通して緑を保ち、目隠しや風よけとしても活躍し、一度植えればメンテナンスの手間も少なく長く楽しめます。特に今回ご紹介した5つの品種は、初心者の方でも育てやすいものばかりです。
この記事をまとめると、ポイントは以下のとおり。
- 背が高い常緑多年草の魅力と効果的な使い方
- 四季を通じて美しい庭を演出する常緑多年草の特徴
- 目隠しやプライバシー確保に最適な背の高い常緑植物
- イングリッシュガーデンを彩る背の高い宿根草の選び方
- 日陰でも育つ背の高い常緑多年草の活用法
- グランドカバーとしても活躍する背の高い常緑植物の使い方
- 春から秋まで美しい花を咲かせる背の高い常緑植物
- おすすめの背が高い常緑多年草5選と冬越しのポイント
- ドラセナ・インディビサ（コルディリネ）― 南国風の庭を演出する常緑多年草
- ヤブラン・ギガンテウム ― 日本の気候に適した背の高い常緑宿根草
- ニューサイラン（フォルミウム）― 現代的な庭デザインに最適な背の高い常緑植物
- シマトネリコ ― 常緑高木でありながら多年草のように扱える人気品種
- ローズマリーの立ち性品種 ― 香りも楽しめる背の高い常緑多年草
季節ごとのメンテナンスは、基本的に枯れた葉の除去と必要に応じた軽い剪定程度でOK。寒冷地では冬の防寒対策も忘れずに行いましょう。これらの背が高い常緑多年草を取り入れることで、一年中美しく手入れも簡単な、おしゃれな庭づくりを実現してください。
関連記事
多年草野菜の一覧｜初心者でも植えっぱなしで毎年収穫できるおすすめ20種
エキナセアの種取りの完全ガイド｜採取時期から育て方までを詳しく解説
クロッカスは植えっぱなしでも増える！初心者でも簡単な育て方と管理方法
コメント